科学の奥深さを知ってしてほしいと、電気分解のしくみのまとめに、信州大学教育学部教授の伊藤冬樹先生を講師としてお招きし、実験講習をしていただきました。
今回の一番のねらいは食塩水(塩化ナトリウム水溶液)や水酸化ナトリウムを入れた水の電気分解で、「ナトリウムはどうして出てこないのか」、そのしくみに迫るため、大変貴重な純粋なナトリウムを目の前で見せていただくことにありました。普段知っている金属とは違い、カッターでもすっと切れるナトリウム。切り口からは確かに金属光沢が確認できました。そんなナトリウム片を水に入れると炎を上げて燃え、あっという間にナトリウムはなくなってしまいました。そんな、高校でもあまり見られない本物の物質を生で観察し、少しでも科学の面白さ、目に見えない原子や分子の世界に思いをめぐらせてくれたらうれしく思います。
中学ではできない高度な実験を見せていただきながら、電気分解で出てくる物質の決まりごとについての学習を深めた時間になりました。どの学校でも、教師の説明だけで終わってしまうところですが、3年生のみんなには、その原理について実感を伴いながら捉え、知識の定着につなげてもらいたいと願っています。
これからは、伊藤先生が最後に少し説明してくださった「イオン」という存在に目を向け、実際には見えない原子とそれより小さな粒子の世界の学習を進めていきたいと思います。
<学習プリントより>
o電気分解で出てくる物質や出てくる極は、電気分解するものにふくまれている物質の特徴と深くかかわっていることが分かった。実験の結果には、きちんと決まりや理由があってすごいと思った。
oナトリウムを間近に見て、酸化するスピードがとても早いことが分かった。普通では見ることができない実験を見て、ナトリウムが出ないことの理由を知れた。ここからイオンというのにつながるので、前の学習は大切になってくるな~と思った。